5ch(5ちゃんねる)の名誉毀損、開示請求で犯人を特定する方法
5chは海外法人(フィリピンLoki Technology, Inc.)運営のため開示請求に時間がかかる。ただし「ワッチョイ」「IPアドレス末尾表示」が有効なスレッドなら、同一人物の投稿を追跡しやすく、複数回の誹謗中傷を立証して損害賠償額を増やせる。5ch専用ブラウザのログ機能も証拠保全に使える。
5ch(5ちゃんねる) 開示請求の成功率と難易度
5chでの名誉毀損に対する開示請求は、権利侵害が明白であれば成功率は比較的高いです(60〜80%程度)。ただし、5chは海外法人(Loki Technology Inc.、フィリピン)が運営しているため、任意の開示には応じず、仮処分が必要になるのが一般的です。仮処分は訴訟に比べれば迅速ですが、それでも申立てから決定まで1〜2ヶ月程度かかるため、ログ保存期間(約90日)との競争になります。TwitterやInstagramと比べて手続きがやや複雑になる点は覚悟が必要です。
5chが海外法人であることの影響
5chは2017年にジム・ワトキンス氏が設立したLoki Technology Inc.(フィリピン)が運営しています。海外法人であるため、日本の裁判所からの「任意の照会」には応じません。そのため、発信者情報開示請求においては、東京地方裁判所に仮処分を申し立て、裁判所の決定に基づいて強制的に情報開示を求める手続きが必要です。仮処分の費用は通常の開示請求とほぼ同額ですが、手続きが1段階増えることで時間がかかります。
専門板・なんJ・鬼女板での開示請求
5chには無数の板(掲示板)があり、それぞれ文化や書き込み傾向が異なります。「なんでも実況J板(なんJ)」「既婚女性板(鬼女)」「爆サイ板」など、匿名性が高く攻撃的な書き込みが多い板では、名誉毀損の投稿も多発しています。板ごとのログ保存期間やワッチョイ(後述)の有無も異なるため、開示請求の戦略が変わります。弁護士を選ぶ際は、5chの板文化に詳しい事務所を選ぶと有利です。
5ch(5ちゃんねる) 開示請求の費用相場と仮処分の追加費用
5chでの開示請求の費用は、弁護士費用として着手金30〜50万円、成功報酬15〜30万円が一般的です。5chが海外法人であり仮処分が必要になるため、Twitter等の国内SNSと比べてやや高めに設定されていることが多いです。さらに、裁判所への仮処分申立て費用として、担保金(10〜30万円程度、事件終了後に返還される)が必要になるケースもあります。合計で50〜100万円程度を見込む必要がありますが、損害賠償で100万〜300万円の慰謝料が認められれば、費用を回収できる可能性は十分にあります。
担保金とは何か?
仮処分を申し立てる際、裁判所が「担保を立てること」を命じる場合があります。これは、仮処分が後に誤りと判明した場合に相手方(5ch運営やプロバイダ)の損害を補償するための金額です。金額は事件ごとに異なりますが、10〜30万円程度が一般的です。担保金は事件終了後(開示が確定したり、訴訟が終わった後)に返還されるため、実質的な費用負担ではありません。
5ch ワッチョイ(WACCHOI)からIPアドレスを特定できる?
ワッチョイとは、5chの一部の板で導入されている「半固定ハンドル」機能です。書き込み者のIPアドレスの一部を暗号化して表示するため、同一人物が複数の書き込みをしているかどうかを推測できます。ただし、ワッチョイからIPアドレスそのものを逆算することはできません。開示請求においてワッチョイが役立つのは、(1)同一人物による複数の書き込みをまとめて請求できる、(2)投稿の継続性・組織性を示す証拠になる、という点です。ワッチョイのハッシュ値と実際のIPアドレスの対応表は5ch運営が保持しているため、仮処分でIPアドレスを開示請求する際にワッチョイを手がかりにできます。
ワッチョイなしの板では開示請求が難しい?
ワッチョイが導入されていない板でも、開示請求は可能です。5ch運営はすべての書き込みについてIPアドレスをログとして保存しています(保存期間は板によって異なりますが、多くは約90日)。ワッチョイがない場合、同一人物の投稿を特定しにくいというだけで、個々の投稿についてIPアドレスの開示を求めることは可能です。
5ch 過去ログ倉庫に保管された古いスレッドの開示請求
5chでは、勢いがなくなったスレッドは「過去ログ倉庫」に移動します。過去ログ倉庫に保管されたスレッドは閲覧には専用のサービス(●や浪人等の有料サービス、または外部ミラーサイト)が必要ですが、IPアドレスのログ自体は一定期間保存されています。したがって、ログ保存期間内(約90日)であれば、過去ログ倉庫に移動したスレッドの投稿についても開示請求は可能です。ただし、スレッドが立ってから90日以上経過している場合は、IPアドレスのログが削除されている可能性が高く、開示が困難になります。
5ch スレッドが削除された場合でも開示請求できる?
はい、スレッドや書き込みが削除されていても、ログ保存期間内であれば開示請求は可能です。ただし、削除依頼が通った場合でも、5ch運営がログを削除するとは限りません。また、削除前にスレッドのアーカイブ(スクリーンショット、魚拓、Wayback Machine等)を保存しておくことが重要です。削除されたスレッドのURLと投稿番号がわかれば、5ch運営に対してその投稿のIPアドレスを開示するよう仮処分を申し立てることができます。
5ちゃんねる 名誉毀損の開示請求の流れ【5ステップ】
証拠保全(スレッドのアーカイブ)
名誉毀損の書き込みがあるスレッドのURL、投稿番号、投稿日時、書き込み内容をスクリーンショットで保存します。5chは書き込みが流れやすいため、魚拓サービス(archive.is、Wayback Machine等)でスレッド全体を保存しておくと確実です。ワッチョイがある場合は、そのハッシュ値も記録しておきます。
弁護士相談(5ch開示の実績がある事務所)
5chの開示請求に詳しい弁護士に相談します。5chは海外法人運営で仮処分が必要なため、5ch開示の経験がある弁護士を選ぶことが重要です。初回相談時に、証拠(スクリーンショット)を見せて開示の見通しを確認しましょう。
5ch運営への仮処分申立て(IPアドレス開示)
東京地方裁判所に、Loki Technology Inc.を相手方とした発信者情報開示仮処分を申し立てます。5chは任意の開示に応じないため、仮処分による強制手続きが必要です。裁判所が仮処分を認めれば、5ch運営は投稿時のIPアドレスを開示します。
プロバイダへの開示命令(契約者情報)
開示されたIPアドレスから、接続元のプロバイダ(NTT、KDDI、ソフトバンク等)を特定します。次に、プロバイダに対して発信者情報開示命令を申し立て、契約者の氏名・住所を開示させます。
投稿者の特定と損害賠償請求
投稿者が特定できたら、損害賠償請求を行います。5chの名誉毀損の慰謝料相場は50万〜300万円です。示談交渉で解決する場合もあれば、訴訟に進む場合もあります。悪質な場合は刑事告訴(名誉毀損罪、刑法230条)も検討します。
この組み合わせのポイント
- 5chは海外法人(Loki Technology Inc.、フィリピン)運営で、任意の開示に応じないため仮処分が必要
- ログ保存期間は板によって異なるが、多くは約90日(一部の板は30日程度)
- ワッチョイ(IPの一部を暗号化したハッシュ値)から同一人物の複数投稿を特定可能
- 過去ログ倉庫に保管されたスレッドでも、ログ保存期間内なら開示請求可能
- 仮処分の担保金(10〜30万円)が必要になるケースがあるが、事件終了後に返還される
よくある質問
5chは海外法人(Loki Technology Inc.、フィリピン)運営で任意の開示に応じないため、仮処分が必要になります。その分、Twitterよりも手続きがやや複雑で時間がかかります(1〜2ヶ月程度)。ただし、5chの開示請求は判例も豊富で、弁護士の経験値も高いため、適切に手続きを進めれば成功率は決して低くありません。費用は50〜100万円程度を見込む必要があります。
5chのログ保存期間は板によって異なりますが、多くの板では約90日間です。ただし、一部の板では30日程度の場合もあります。投稿日から90日を過ぎるとIPアドレスのログが削除され、犯人の特定が困難になります。5chで誹謗中傷を見つけたら、すぐに証拠を保存し、弁護士に相談してください。
ワッチョイ(WACCHOI)は、IPアドレスの一部を暗号化して表示する機能で、同一人物の複数の書き込みを推測できます。ただし、ワッチョイからIPアドレスそのものを逆算することはできません。開示請求では、ワッチョイを手がかりに5ch運営に対してIPアドレスの開示を求めることができます。ワッチョイのハッシュ値とIPアドレスの対応表は5ch運営が保持しています。