Discord(ディスコード)での名誉毀損|発信者情報開示請求の完全ガイド

最終更新: 2026年2月6日 2022年改正プロバイダ責任制限法 対応
Discordのログ保存期間は約90日です。 投稿日から90日を過ぎるとIPアドレスが削除され、犯人の特定が困難になります。 AIで残り日数を診断する
Discordのサーバー内やDM(ダイレクトメッセージ)で名誉を毀損する投稿をされた場合、発信者情報開示請求によって投稿者を特定できます。Discordは米国法人Discord Inc.が運営するサービスで、日本の裁判所を通じた手続きが必要です。ゲーム・配信者コミュニティでの誹謗中傷が多く、ユーザーID(Snowflake ID)の保全が最重要課題となります。本記事では、Discordでの名誉毀損に対する開示請求の具体的な流れと成功のポイントを解説します。
専門家のワンポイント

Discordの開示請求で最も重要なのは「ユーザーID(Snowflake ID)」の保全。表示名やタグは変更可能だが、Snowflake IDは不変。スクショだけでなく開発者モードでIDをコピーすること

法的根拠
名誉毀損
刑法230条(名誉毀損罪)、民法709条(不法行為)、民法710条(精神的損害)...
想定期間
6〜10ヶ月
ログ保存: 約90日
損害賠償相場
50万〜300万円(個人)、100万〜500万円(法人・事業者)
弁護士費用別途

Discordでの名誉毀損とは

Discordでの名誉毀損は、サーバー(グループチャット)内の投稿やDMでの発言によって、個人や企業の社会的評価を低下させる行為です。「詐欺師」「犯罪者」などの虚偽事実の摘示だけでなく、「配信者として失格」などの意見表明も名誉毀損に該当する場合があります。Discordの特徴として、サーバー内の投稿は参加者全員に公開されるため「公然性」が認められやすい一方、DM内での発言は公然性の立証が課題となります。

配信者コミュニティのサーバーで「○○は視聴者を騙している詐欺師」「収益を独占している犯罪者」などの投稿がなされるケースです。参加者100人以上のサーバーでは公然性が認められやすく、投稿内容が虚偽である場合は名誉毀損が成立します。

DMでの誹謗中傷は直接的には「公然性」がありませんが、DM内容がスクリーンショットでサーバーに転載された場合、転載者も開示請求の対象となります。「DMだから安全」という認識は誤りです。

Discordの名誉毀損で開示請求が認められる条件

Discord上の名誉毀損で開示請求が認められるためには、①社会的評価を低下させる事実の摘示、②公然性(不特定または多数人が認識可能)、③違法性阻却事由がないこと、④投稿者の特定に必要性があることの4要件を満たす必要があります。Discordの場合、サーバーの参加者数やチャンネルの公開設定が公然性の判断材料となり、Snowflake ID(ユーザーID)の保全が投稿者特定の前提条件です。

サーバーの参加者数が判断の核心です。参加者100人以上のサーバーでは「不特定多数」に該当し公然性が認められます。逆に、5〜10人程度の小規模サーバーでは公然性が否定される可能性があります。

Discordのユーザー識別子であるSnowflake IDは変更不可能であり、開示請求の対象特定に不可欠です。表示名やタグ(#1234など)は変更可能なため、スクリーンショットに加えて開発者モードでIDをコピーして保全することが必須です。

Discord名誉毀損の証拠収集と保全方法

Discordでの証拠収集は、投稿のスクリーンショット、Snowflake IDのコピー、サーバー情報(参加者数・チャンネル設定)、タイムスタンプの記録が基本です。Discordは投稿の編集・削除が可能なため、発見後すぐに証拠を保全する必要があります。特に、開発者モードを有効にしてユーザーIDをコピーする手順は、弁護士に相談する前に必ず実施してください。

Discord設定→詳細設定→開発者モードをONにすると、ユーザー名を右クリックして「IDをコピー」できます。このIDは18桁の数字で、投稿者の一意の識別子となります。スクリーンショットとセットで保存してください。

サーバー名、参加者数、チャンネルの公開設定(全員参加可能か・招待制か)、サーバーIDもスクリーンショットで保存します。公然性の立証に必要な情報です。

Discordでは編集されたメッセージに「(編集済み)」と表示されます。編集前の内容は表示されないため、最初の投稿時点でのスクリーンショットが重要です。削除された場合は、Discord側のログから復元できる可能性があります。

Discord Inc.への開示請求の特殊性

DiscordはDiscord Inc.(米国カリフォルニア州)が運営しており、日本国内の一般的なプロバイダとは手続きが異なります。東京地方裁判所に発信者情報開示命令を申し立て、決定が出た後、英訳された決定書をDiscord Inc.に送達する必要があります。ログ保存期間は90日と短く、早期の対応が求められます。また、Discord側の対応窓口が限定的で、弁護士を通じた正式な手続きが不可欠です。

裁判所の開示命令決定書は日本語で発行されますが、Discord Inc.への送達には英訳が必要です。弁護士が翻訳業者に依頼するのが一般的で、翻訳費用として5〜10万円程度が追加でかかります。

Discordのアクセスログ保存期間は90日です。投稿から時間が経過すると、IPアドレスやタイムスタンプが削除される可能性があります。発見後すぐに弁護士に相談し、ログ保存要請を行うことが重要です。

Discord名誉毀損の損害賠償請求

開示請求で投稿者を特定した後、損害賠償請求(慰謝料・弁護士費用)や刑事告訴(名誉毀損罪)を検討します。Discordでの名誉毀損の慰謝料相場は、一般人で30〜100万円、配信者・インフルエンサーなど公的立場にある人物で50〜200万円程度です。サーバーの規模や投稿の拡散範囲、被害の継続期間によって金額が変動します。

投稿内容の悪質性、サーバーの参加者数、投稿の拡散範囲(他のSNSへの転載など)、被害者の社会的地位、精神的苦痛の程度が考慮されます。配信者コミュニティでの誹謗中傷は影響が大きく、慰謝料も高額化する傾向です。

名誉毀損罪(刑法230条)での告訴も可能です。Discordでの投稿は「公然性」の立証がポイントとなり、サーバーの参加者数が100人以上であれば刑事立件の可能性が高まります。

Discord名誉毀損の開示請求の流れ【4ステップ】

ステップ1: 証拠保全とSnowflake IDの取得

ステップ2: 発信者情報開示命令の申立て

ステップ3: 決定書の英訳とDiscord Inc.への送達

ステップ4: 経由プロバイダへの開示請求と投稿者特定

この組み合わせのポイント

  • 開発者モードでSnowflake ID(18桁の数字)を取得することが投稿者特定の前提条件
  • サーバーの参加者数が100人以上であれば「公然性」が認められやすく、小規模サーバーでは争点になる
  • 米国法人Discord Inc.への送達には英訳された決定書が必要で、翻訳費用5〜10万円が追加でかかる
  • ログ保存期間が90日と短いため、発見後すぐに弁護士に相談してログ保存要請を行うことが重要
  • DM内の誹謗中傷がスクリーンショットでサーバーに転載された場合、転載者も開示対象となる

よくある質問

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