TikTok(ティックトック)の迷惑動画・炎上、開示請求で損害を取り戻す
TikTokのバイトテロ・客迷惑動画による炎上は、投稿者だけでなく「撮影を黙認した同僚」「管理責任のある店長」も連帯責任として損害賠償請求できる可能性がある。動画に複数人が映っていれば全員を特定し、連帯して賠償を求めることで回収率が上がる。弁護士に「共犯者の特定」も依頼すべき。
TikTok(ティックトック)の迷惑動画・バイトテロ、開示請求の成功率
TikTokでの迷惑動画・バイトテロに対する開示請求は、業務妨害として成功率が非常に高い類型です。特に(1)動画の内容が明らかに非常識な行為である(食材をゴミ箱に入れる、商品を舐める等)、(2)動画が大量に拡散され、企業の信用が毀損された、(3)売上減少・顧客キャンセル等の実害が発生した、という要件が揃えば、開示が認められやすく、かつ高額な損害賠償が可能です。TikTokは動画プラットフォームのため、投稿者の顔が映っているケースも多く、同定可能性の立証が容易という特徴があります。
バイトテロと客迷惑動画の違い
バイトテロは従業員(アルバイト)が勤務中に非常識な行為を撮影して投稿する行為で、客迷惑動画は客が店舗で迷惑行為を撮影して投稿する行為です。法的には両方とも業務妨害に該当しますが、バイトテロの場合は(1)従業員の秘密保持義務違反、(2)就業規則違反による懲戒解雇、(3)損害賠償請求、という複数の法的措置が可能です。客迷惑動画の場合は、開示請求による投稿者の特定と損害賠償請求が主な対応になります。
競合店舗による虚偽の迷惑動画(やらせ)
競合他社が自店の評判を落とす目的で、虚偽の迷惑動画を投稿するケースも報告されています。この場合、不正競争防止法2条1項21号(信用毀損行為)を根拠にした開示請求が可能で、差止請求(今後の投稿の禁止)も併用できます。やらせが証明できれば、損害賠償額が大幅に増額される可能性があります。
TikTok(ティックトック)の迷惑動画炎上、損害賠償の相場
TikTokの迷惑動画・バイトテロによる損害賠償額は、事案によって大きく異なります。小規模な個人飲食店での迷惑動画の場合は50万〜300万円程度ですが、大手チェーン店で全国的に炎上した場合は1,000万〜数千万円の賠償が認められるケースもあります(スシロー事件では約6,700万円の損害賠償請求)。賠償額は(1)動画の再生回数・拡散規模、(2)売上減少の金額と期間、(3)ブランドイメージの毀損度、(4)謝罪・炎上対応にかかった費用、によって算定されます。
売上減少の証明方法
売上減少と迷惑動画の因果関係を立証するには、(1)動画投稿前後の売上データ(日次・週次の比較)、(2)動画の再生回数・拡散状況(何人に閲覧されたか)、(3)顧客からの問い合わせ・予約キャンセルの記録、(4)同業他社の同時期の売上推移(外部要因の排除)、(5)店舗の口コミ評価の変化(Googleマップ、食べログ等)、といった資料が有効です。会計データは税理士の証明書付きで提出すると信頼性が高まります。
TikTok(ティックトック)の迷惑動画、緊急対応マニュアル
迷惑動画を発見した場合の緊急対応手順は以下の通りです。(1)証拠保全:動画を画面録画で保存(URL・投稿日時・再生回数・コメント数を記録)、(2)TikTokに緊急削除要請:「暴力行為または危険行為」として報告、(3)プレスリリース発行:事実関係と対応方針を公式に発表、(4)弁護士に開示請求を依頼、(5)従業員による投稿の場合は懲戒解雇の検討、(6)警察に被害届(業務妨害罪として刑事告訴)。特に大規模炎上の場合は、危機管理広報の専門家にも相談することをお勧めします。
TikTok(ティックトック)の「おすすめ」アルゴリズムと炎上の関係
TikTokの「おすすめ」(For You)アルゴリズムは、ユーザーの興味に基づいて動画を推薦する仕組みですが、これが炎上の拡散を加速させる要因になっています。過激な動画・炎上動画はエンゲージメント(いいね・コメント・シェア)が高くなるため、アルゴリズムがさらに多くのユーザーに推薦し、短時間で爆発的に拡散します。炎上の規模が大きいほど損害賠償額は高くなるため、企業は炎上を早期に検知し、TikTokに削除要請を出す体制を整えることが重要です。
TikTok(ティックトック) 業務妨害の開示請求の流れ【4ステップ】
証拠保全と損害データの整理
動画を画面録画で保存し、URL・投稿日時・再生回数・投稿者アカウント名を記録します。同時に、売上データ、顧客キャンセル記録、口コミ評価の推移など、損害を裏付けるデータを整理します。
弁護士相談(業務妨害・炎上対応に強い事務所)
業務妨害・風評被害に詳しい弁護士に相談します。TikTokへの開示請求は国際送達が必要なため、海外法人への開示請求の経験がある事務所を選びましょう。損害賠償の見込み額についても助言を受けます。
発信者情報開示命令の申立て
東京地方裁判所に開示命令を申し立てます。業務妨害の場合、動画内容の悪質性と拡散状況を丁寧に主張します。シンガポールへの国際送達に2〜3ヶ月かかるため、早期に着手することが重要です。
投稿者特定と損害賠償請求・刑事告訴
開示された情報から投稿者を特定し、損害賠償を請求します(50万〜数千万円)。バイトテロの場合は従業員への懲戒解雇も並行して行います。悪質な場合は業務妨害罪(刑法233条、3年以下の懲役等)で刑事告訴も可能です。
この組み合わせのポイント
- TikTokは「おすすめ」アルゴリズムで拡散力が極めて高く、迷惑動画が短時間で数百万回再生されるリスク
- バイトテロ・客迷惑動画の炎上事例では、数千万円規模の損害賠償が認められるケースもある
- 動画プラットフォームのため投稿者の顔が映っていることが多く、同定可能性の立証が容易
- 海外法人(シンガポール)への送達が必要で時間がかかるため、早期の証拠保全と手続き開始が重要
- 不正競争防止法を根拠にすれば、損害賠償に加えて差止請求(再投稿の禁止)も可能
よくある質問
再生回数100万回レベルの炎上では、50万〜500万円の損害賠償が見込まれます。ただし、実際の売上減少額、ブランドイメージの毀損度、炎上対応にかかった費用などを具体的に立証できれば、さらに高額な賠償が認められます。大手チェーン店の場合は、1,000万円以上の賠償事例もあります。
はい、可能です。バイトテロは(1)秘密保持義務違反、(2)就業規則違反、(3)業務妨害として、損害賠償の対象になります。開示請求で投稿者を特定した後、損害賠償請求と懲戒解雇を行います。未成年のアルバイトの場合は、親権者に対して損害賠償を請求できます。損害額が高額な場合は、刑事告訴も検討しましょう。
いいえ、削除だけでは不十分です。削除されても既に拡散された被害は残り、投稿者が再度同様の動画を投稿する可能性もあります。開示請求で投稿者を特定し、損害賠償を請求することで、(1)金銭的な被害の回復、(2)再発防止、(3)他の潜在的な投稿者への抑止効果、という3つのメリットが得られます。特に大規模炎上の場合は、開示請求と損害賠償が必須です。