TikTok(ティックトック)の名誉毀損、開示請求で犯人を特定する方法

最終更新: 2026年2月6日 2022年改正プロバイダ責任制限法 対応
TikTokのログ保存期間は約90日です。 投稿日から90日を過ぎるとIPアドレスが削除され、犯人の特定が困難になります。 AIで残り日数を診断する
TikTokで具体的な事実を挙げて社会的評価を下げる動画やコメントをされた場合、発信者情報開示請求によって投稿者を特定できます。ただし、TikTokを運営するのはシンガポール法人(TikTok Pte. Ltd.)および親会社ByteDance(ケイマン諸島)であり、Twitter(X)などの日本法人がある他のSNSと比べて手続きに時間がかかります(6〜10ヶ月程度)。ログ保存期間も明確に公表されていないため、被害に気づいたらすぐに弁護士に相談し、証拠保全の仮処分を検討する必要があります。
専門家のワンポイント

TikTokは中国企業(ByteDance)傘下だが、日本法人(TikTok Japan)に開示請求できる。ただし対応は遅く、海外本社との調整が必要なケースもある。開示請求と並行して、警察(サイバー犯罪相談窓口)への被害相談も行うべき。刑事事件として立件されれば、捜査照会でTikTok側の協力が得られやすい。

法的根拠
名誉毀損
刑法230条(名誉毀損罪)、民法709条(不法行為)、民法710条(精神的損害)...
想定期間
6〜10ヶ月
ログ保存: 約90日
損害賠償相場
50万〜300万円(個人)、100万〜500万円(法人・事業者)
弁護士費用別途

TikTok(ティックトック) 開示請求の成功率と難易度

TikTokでの名誉毀損に対する開示請求は、法的には他のSNSと同様に認められますが、実務上の難易度は高めです。理由は3つあります。(1)運営会社が海外法人(TikTok Pte. Ltd. / シンガポール)のため、裁判書類の送達に国際送達の手続きが必要で時間がかかる、(2)ログ保存期間が明示されておらず、いつまでデータが保存されているか不明、(3)日本の裁判例が少なく、TikTok社の対応実績も限定的。ただし、2023年以降は日本での開示請求にも対応する姿勢を見せており、状況は改善傾向にあります。

TikTok日本法人はないの?

TikTokには日本法人「TikTok Japan株式会社」がありますが、これはマーケティング・広告営業を担当する拠点であり、サービスそのものの運営は「TikTok Pte. Ltd.」(シンガポール法人)が行っています。そのため、開示請求の相手方はシンガポール法人になります。一部の弁護士事務所では、日本法人を窓口として交渉を試みるケースもありますが、法的にはシンガポール法人への送達が必要です。

デュエット・スティッチ機能による二次被害

TikTok特有の「デュエット」「スティッチ」機能により、他人の動画に自分の動画を重ねたり切り取ったりして投稿できます。これにより、元の動画が削除されても、デュエット・スティッチした動画が残り続け、被害が拡大するケースがあります。開示請求の際は、オリジナル投稿者だけでなく、二次的に拡散した悪質なデュエット・スティッチ投稿者も対象にできる場合があります。

TikTok(ティックトック) 開示請求の費用相場と期間

TikTokでの名誉毀損に対する開示請求の費用は、弁護士費用として着手金30〜50万円、成功報酬20〜30万円が一般的です。Twitter(X)等よりやや高額になる理由は、海外法人への送達手続きが必要なため、弁護士の作業量が増えるからです。裁判所への申立て費用に加えて、国際送達の費用(3〜5万円程度)がかかります。期間は6〜10ヶ月程度が目安で、Twitter(X)(3〜6ヶ月)の約2倍かかると考えてください。

国際送達とは?

国際送達とは、海外の企業に対して裁判書類を正式に送る手続きです。TikTokの場合、東京地裁が発行した書類を外務省経由でシンガポールに送り、シンガポールの司法当局を通じてTikTok Pte. Ltd.に送達されます。この手続きに通常2〜3ヶ月かかります。一部の弁護士は、TikTok社の日本の代理人弁護士に送達する手法を取ることで、期間を短縮するケースもあります。

TikTokの動画が削除された場合でも開示請求できる?

動画が削除されていても、ログ保存期間内であれば開示請求は可能です。ただし、TikTokはログ保存期間を公表していないため、削除後いつまでログが残っているかは不明です。Twitter(X)の約90日と同程度(3ヶ月程度)と推測されていますが、確実ではありません。そのため、動画の削除前に必ずスクリーンショットまたは画面録画で証拠を保全し、さらに早期に弁護士に相談して証拠保全の仮処分を検討することが重要です。

TikTok動画の証拠保全の方法

TikTok動画の証拠保全は、スクリーンショットだけでは不十分です。(1)スマートフォンの画面録画機能で動画全体を録画(音声も含む)、(2)動画のURL・投稿日時・投稿者のアカウント名を記録、(3)いいね数・コメント数・シェア数も記録(拡散状況の証拠)、(4)悪質なコメントがある場合はそれもスクリーンショット、という4点セットで保存してください。

TikTok(ティックトック)での学校いじめ・晒し動画の対処法

TikTokは10代〜20代前半のユーザーが多く、学校でのいじめや晒し動画が問題になるケースが頻発しています。顔を撮影されて「○○のブス動画」「キモい奴見つけた」といった投稿をされた場合、名誉毀損に加えて肖像権侵害・プライバシー侵害の複合的な権利侵害として開示請求が認められやすくなります。未成年者が被害者の場合は、親権者が法定代理人として開示請求を行います。学校内での撮影の場合、撮影者の特定が比較的容易なため、開示請求と並行して学校・教育委員会への相談も有効です。

未成年が加害者の場合の損害賠償

開示請求で投稿者が未成年(18歳未満)と判明した場合、損害賠償の請求先は親権者(通常は両親)になります。民法第712条・第714条により、未成年者が責任能力を欠く場合は親権者が監督者責任を負います。学校でのいじめに関連する場合、慰謝料は50万〜200万円程度が相場ですが、いじめによって不登校・転校を余儀なくされた場合はより高額になる可能性があります。

TikTokで開示請求された側の対処法

TikTokから「発信者情報開示に係る意見照会」が届いた場合、投稿者であるあなたに「開示に同意するか」の意見を求められています。同意しない場合でも、裁判所が開示を命じれば情報は開示されます。身に覚えがある場合は、開示前に被害者との示談交渉を弁護士を通じて行うことで、訴訟リスクを軽減できる場合があります。特に学校いじめのケースでは、早期に謝罪と示談を行うことで、損害賠償額を抑えられる可能性があります。

TikTok(ティックトック) 名誉毀損の開示請求の流れ【4ステップ】

証拠保全(画面録画必須)

TikTok動画は画面録画で全体を保存します。URL・日時・投稿者アカウント名・いいね数・コメントも記録してください。デュエット・スティッチされた動画がある場合はそれらも保存します。

弁護士に相談(海外送達の経験がある事務所を選ぶ)

TikTokへの開示請求は国際送達の手続きが必要なため、海外法人への開示請求の経験がある弁護士事務所を選ぶことが重要です。証拠を見せて、開示請求の見通し・費用・期間について説明を受けましょう。

発信者情報開示命令の申立て(シンガポール法人が相手方)

東京地方裁判所に発信者情報開示命令を申し立てます。相手方は「TikTok Pte. Ltd.」(シンガポール)で、裁判書類は国際送達の手続きでシンガポールに送られます。この手続きに2〜3ヶ月かかります。

投稿者の特定と損害賠償請求

開示された情報(IPアドレス等)をもとに、プロバイダに対して契約者情報の開示を求めます。投稿者が特定できたら、損害賠償請求(50万〜300万円が相場)や刑事告訴を検討します。学校いじめのケースでは、学校・教育委員会への報告も並行して行います。

この組み合わせのポイント

  • TikTokは海外法人のため国際送達が必要で、Twitter(X)の約2倍の期間(6〜10ヶ月)がかかる
  • ログ保存期間が公表されておらず、証拠保全の仮処分が他のSNSより重要
  • デュエット・スティッチ機能により二次被害が拡大しやすく、複数アカウントへの開示請求が必要なケースも
  • 10代ユーザーが多く学校いじめの文脈が絡むケースでは、親権者が法定代理人として手続き
  • 日本での裁判例が少なく、弁護士の海外送達経験が成否を分ける

よくある質問

TikTokを運営するTikTok Pte. Ltd.はシンガポール法人で、日本に裁判書類を受け取る拠点がないため、「国際送達」の手続きが必要です。東京地裁が発行した書類を外務省経由でシンガポールに送り、現地の司法当局を通じてTikTok社に送達されるため、2〜3ヶ月の追加時間がかかります。Twitter(X)は日本法人(X Japan合同会社)があるため、国内手続きで完結します。

はい、可能です。デュエット機能で他人の動画に自分の顔が映り込んでいる状態で名誉毀損的なコメントをされた場合、名誉毀損+肖像権侵害として開示が認められます。また、デュエット設定で「許可しない」にしていたにも関わらず無断で使用された場合は、著作権侵害の主張も追加できる可能性があります。

まず(1)画面録画で証拠を保存、(2)学校に相談(撮影者が同じ学校の生徒の可能性が高い)、(3)弁護士に開示請求を依頼(親権者が法定代理人として手続き)、(4)TikTokに緊急削除要請、という4つを並行して進めてください。学校いじめのケースでは教育委員会への報告も有効です。未成年の加害者でも親権者に損害賠償を請求できます。

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