TikTok(ティックトック)のコメント欄侮辱、開示請求で投稿者を特定する
TikTokの侮辱は短時間で爆発的に拡散するため、投稿後24時間以内に証拠保全(動画ダウンロード+コメント欄スクショ)をすること。拡散後は「デュエット」「ステッチ」で二次投稿が量産され、被害が雪だるま式に拡大する。元動画だけでなく、派生動画も全て証拠化すること。
TikTok(ティックトック)のコメント欄侮辱、開示請求の成功率は?
TikTokのコメント欄での侮辱は、他のSNSと同様に2022年侮辱罪厳罰化の影響で開示が認められやすくなっています。ただし、TikTokのコメントは短文が多く、「誰に向けたものか」(同定可能性)の立証がポイントになります。(1)動画の投稿者本人に向けたコメントである場合は同定可能性が明確、(2)動画に映っている特定の人物に向けたコメントの場合は、その人物が被害者として開示請求できる、(3)不特定多数に向けた抽象的な罵倒の場合は開示が難しい、という傾向があります。
TikTokのコメント欄は「公然性」が高い
TikTokのコメント欄は、動画を視聴した不特定多数のユーザーが閲覧できる状態にあるため、侮辱罪の「公然と」の要件を満たしやすいです。特に「おすすめ」に載ってバズった動画のコメント欄では、数万〜数十万人がコメントを閲覧する可能性があり、「公然性」の立証は容易です。この点で、TikTokのコメント欄侮辱は掲示板やDMよりも開示が認められやすい類型と言えます。
複数のコメントで繰り返し侮辱された場合
同一アカウントから複数回にわたり侮辱的なコメントを受けた場合、「継続的な侮辱」として悪質性が高く評価され、開示が認められやすくなります。また、複数の異なるアカウントから同時期に侮辱された場合でも、それぞれのアカウントに対して開示請求が可能です。学校いじめの文脈では、複数の生徒が集団で侮辱コメントを投稿するケースが多く、集団いじめとして損害賠償額も増額される傾向があります。
TikTok(ティックトック) 侮辱の開示請求の費用と期間
費用は着手金30〜50万円、成功報酬20〜30万円が相場で、Twitter(X)(30〜60万円)よりやや高額です。期間は国際送達の手続きが必要なため、6〜10ヶ月程度かかります。侮辱の場合の損害賠償額は10万〜100万円程度が相場ですが、学校いじめの文脈で不登校になった場合や、精神疾患を発症した場合(診断書必要)は、100万円以上の慰謝料が認められるケースもあります。
TikTokのコメント削除で慰謝料は減る?
加害者がコメントを削除した場合でも、既に拡散された被害は残るため、慰謝料が大きく減額されることはありません。ただし、早期に削除して反省の態度を示した場合、示談交渉で減額に応じる余地はあります。逆に、コメントを削除せず放置している場合や、さらに追加で侮辱コメントを投稿している場合は、悪質性が高いと評価され慰謝料が増額される可能性があります。
TikTokのライブ配信での侮辱コメントの証拠保全
TikTokのライブ配信中に侮辱的なコメントをされた場合、ライブ配信終了後にコメントが残らないケースが多いため、証拠保全が困難です。対策として、(1)ライブ配信中にスマホの画面録画機能で録画しておく、(2)ライブ配信のアーカイブが残る設定にしておく、(3)ライブ配信中にスクリーンショットを撮る、という方法があります。ライブ配信での侮辱は「瞬時に多数のユーザーが閲覧する」という点で悪質性が高く、開示が認められやすい傾向にあります。
TikTok(ティックトック)で侮辱コメントされた場合の緊急対応
侮辱コメントを受けた場合の対応手順は以下の通りです。(1)証拠保全:動画とコメントを画面録画で保存(URLも記録)、(2)TikTokに通報:コメントを長押しして「報告」から「ヘイトスピーチまたはヘイト行為」を選択、(3)学校いじめの場合は学校に相談、(4)弁護士に開示請求を依頼。TikTokは通報に対して比較的迅速にコメント削除・アカウント凍結の対応をとりますが、削除されてもログ保存期間内であれば開示請求は可能です。
TikTok(ティックトック) 侮辱の開示請求の流れ【4ステップ】
証拠保全(動画とコメントを画面録画)
侮辱的なコメントが含まれる動画全体を画面録画で保存します。動画のURL・投稿日時・コメントの投稿者アカウント名・コメントの投稿日時も記録してください。複数のコメントがある場合は、すべてのコメントを記録します。
弁護士相談(TikTok開示請求の経験がある事務所)
TikTokへの開示請求は国際送達の手続きが必要なため、海外法人への開示請求の経験がある弁護士に相談します。侮辱での開示の見通しと、費用対効果について率直に相談しましょう。
発信者情報開示命令の申立て(シンガポール法人へ送達)
東京地方裁判所に開示命令を申し立てます。侮辱罪の厳罰化(2022年7月)を踏まえ、コメントの悪質性(表現の程度、回数、継続期間等)を丁寧に主張します。国際送達に2〜3ヶ月かかります。
投稿者特定と損害賠償請求
開示された情報からコメント投稿者を特定し、損害賠償を請求します(10万〜100万円が相場)。学校いじめのケースでは、加害者が未成年の場合は親権者が賠償責任を負います。
この組み合わせのポイント
- TikTokのコメント欄は動画と一緒に拡散されるため、侮辱の被害が長期化しやすい
- 短文コメントが多く、「同定可能性」(誰に向けたコメントか)の立証がポイント
- ライブ配信での侮辱は証拠保全が困難だが、「瞬時に多数閲覧」という点で悪質性が高い
- 若年層ユーザーが多く、学校いじめの文脈での侮辱が多い(親権者が法定代理人として手続き)
- 2022年侮辱罪厳罰化で、事実の摘示がない短文侮辱でも開示が認められやすくなった
よくある質問
法的には可能ですが、実務的には1回の「ブス」程度では開示が認められにくいです。ただし、(1)動画がバズって多数のユーザーがコメントを閲覧した場合、(2)コメントが複数回投稿された場合、(3)他の侮辱コメントと組み合わさって集団いじめの様相を呈している場合は、開示が認められる可能性が高まります。
ライブ配信のアーカイブが残っていれば、そこからコメントを確認できる可能性があります。アーカイブもない場合は、ライブ配信中に他の視聴者がスクリーンショットを撮っていないか、SNSで拡散されていないかを確認しましょう。証拠がない場合は開示請求は困難ですが、同じアカウントから他のコメントがあればそれを根拠にできる場合があります。
学校への相談と開示請求は並行して行うことをお勧めします。学校に相談することで、加害者の特定が早まる可能性がありますが、学校が十分な対応をしない場合もあります。開示請求で法的に投稿者を特定し、損害賠償を請求することで、加害者と学校の両方に対して強いメッセージを送ることができます。教育委員会への報告も有効です。