YouTube(ユーチューブ)の名誉毀損、開示請求で投稿者を特定する方法
YouTubeの誹謗中傷動画は「動画ファイル本体」をダウンロード保存すること(youtube-dl等)。スクショだけでは裁判所が「編集された可能性」を疑う場合がある。動画ファイルのメタデータ(アップロード日時・チャンネルID等)がそのまま残るため、証拠能力が格段に高い。
YouTube 開示請求の成功率と特徴【動画vsコメント】
YouTubeでの名誉毀損に対する開示請求は、コメント欄の場合が最も成功率が高く、70〜85%程度です。動画コンテンツ自体が名誉毀損に該当する場合も開示可能ですが、動画の編集意図や全体の文脈が考慮されるため、判断がやや複雑になります。YouTubeの最大の強みは、Googleアカウントとの紐づけにより、メールアドレスや氏名(アカウント登録情報)が開示される可能性が高い点です。ログ保存期間が約180日と長く、Twitterの90日に比べて時間的余裕があるのも特徴です。
YouTube動画の名誉毀損で開示が認められるケースとは?
動画コンテンツで開示が認められやすいのは、(1)動画タイトルに特定個人を名指しして虚偽の事実を記載、(2)顔写真や本名を表示しながら誹謗中傷、(3)暴露系YouTuberによる一方的な批判動画、(4)複数回にわたる継続的な攻撃動画シリーズ、といったケースです。特に、サムネイルやタイトルで視聴者を誘導し、故意に特定個人の社会的評価を下げようとする意図が明確な場合、権利侵害の明白性が認められやすくなります。
ライブ配信・プレミア公開中のコメントは開示できる?
YouTubeライブ配信やプレミア公開のライブチャット(コメント)も、通常のコメントと同様に開示請求の対象です。ライブ配信のアーカイブが残っている場合、タイムスタンプ付きでコメントが記録されているため、証拠保全がしやすいというメリットがあります。スーパーチャット(投げ銭)を伴う誹謗中傷コメントの場合、支払い情報からの特定も期待できるため、通常のコメントより特定しやすい傾向にあります。
YouTube 開示請求の費用相場とログ保存期間
YouTubeでの名誉毀損に対する開示請求の費用は、弁護士費用として着手金25〜45万円、成功報酬15〜25万円が一般的です。これに裁判所費用2〜3万円を加えて、合計40〜70万円程度を見込む必要があります。YouTube(Google合同会社)は比較的開示に協力的な傾向にあり、手続きが円滑に進むケースが多いです。ログ保存期間は約180日(6ヶ月)で、Twitterの90日に比べて余裕がありますが、それでも早期の行動が重要です。
YouTube側の日本法人対応でスムーズに
YouTubeを運営するGoogle合同会社は日本法人として登記されており、東京地方裁判所での手続きが可能です。英文でのやり取りが不要で、日本語での開示請求が完結するため、手続きがスムーズに進みます。2022年のプロバイダ責任制限法改正により、1回の裁判所手続きで完結するようになったことも、費用と期間の削減につながっています。
YouTube動画と著作権侵害を併用した開示請求の戦略
YouTube動画で名誉毀損を受けた場合、著作権侵害(肖像権、音楽、映像等)と併用した開示請求が非常に効果的です。例えば、(1)本人の顔写真・映像を無断で使用している場合は肖像権侵害、(2)過去に投稿した動画を無断転載している場合は著作権侵害、(3)本人の声を無断で使用している場合は著作隣接権侵害、といった権利侵害が並存します。複数の権利侵害を主張することで開示請求の根拠が強化され、裁判所の判断も得やすくなります。さらに、YouTubeの著作権保護機能(Content ID)による削除要請と、法的な開示請求を同時に進めることが可能です。
YouTube著作権削除とログ保全の両立
YouTubeには著作権侵害による削除要請システムがあり、通常3〜7日で動画が削除されます。ただし、削除要請と開示請求は別の手続きです。削除要請をしても、ログ保存期間内であれば後から開示請求が可能です。逆に、開示請求を優先する場合は、削除前に動画のURL、投稿日時、チャンネル情報を完全に記録しておく必要があります。動画のダウンロード保存(証拠保全)も有効です。
YouTube 開示請求の期間とGoogleアカウント情報の開示範囲
YouTubeの開示請求にかかる期間は、申立てから開示まで最短2〜4ヶ月程度です。ログ保存期間が約180日のため、発見から3ヶ月以内に申立てができれば、ログ消滅のリスクは低いと言えます。開示される情報には、IPアドレス、タイムスタンプに加え、Googleアカウントに登録されたメールアドレス、氏名(登録名)が含まれる可能性があります。Googleアカウントが実名登録されている場合、IPアドレスからプロバイダへの照会を経ずに、直接投稿者の氏名が判明するケースもあります。
ログ保存期間を過ぎてしまった場合の対処法
ログ保存期間(約180日)を過ぎた場合でも、諦める必要はありません。(1)投稿者が同一チャンネルで新しい動画を投稿している場合、その新しい動画のログから特定できる可能性、(2)同一アカウントが他のプラットフォーム(Twitter、Instagram等)でも活動している場合、そちらのログから特定、(3)動画のコメント欄で投稿者自身が他のアカウント名を明かしている場合、その情報を追跡、といった代替手段があります。
チャンネル削除・動画削除後の開示請求
投稿者がチャンネルを削除したり、問題の動画を削除した後でも、ログ保存期間内であれば開示請求は可能です。YouTubeはチャンネル削除後も一定期間はログデータを保持しています。ただし、削除のタイミングによってはログ保存期間が短縮される可能性もあるため、動画のURL、チャンネルID、投稿日時などの情報を早期に記録しておくことが重要です。動画のダウンロード保存(スクリーンレコーダー等で録画)も証拠として有効です。
YouTubeで開示請求された側(投稿者側)の対処法
開示請求を受けた場合、Google合同会社から「発信者情報開示に係る意見照会書」が届きます。この意見照会に対して「開示に同意しない」と回答することは可能ですが、裁判所が開示を命じれば情報は開示されます。名誉毀損に該当する投稿を行ってしまった自覚がある場合は、開示前に被害者側の弁護士に連絡し、示談交渉を行うことで、損害賠償額を減額したり、刑事告訴を回避できる可能性があります。弁護士に早期相談することをお勧めします。
YouTube 名誉毀損の開示請求の流れ【4ステップ】
証拠保全(動画・コメントの記録)
問題の動画またはコメントの証拠を保全します。動画の場合は画面録画(URL、投稿日時、チャンネル名、再生回数を含む)、コメントの場合はスクリーンショット(コメント全体の流れ、タイムスタンプを含む)を保存します。動画のダウンロードも推奨されます。
弁護士に相談
YouTubeでの開示請求実績がある弁護士に相談します。動画の名誉毀損性、コメントの悪質性、著作権侵害との併用可能性について判断してもらいます。初回無料相談を提供している法律事務所も多くあります。
発信者情報開示命令の申立て
東京地方裁判所に発信者情報開示命令を申し立てます。相手方はGoogle合同会社(東京・六本木)です。YouTube動画の場合、動画の全体的な文脈、編集意図、視聴者の反応なども考慮されるため、丁寧な主張が必要です。
投稿者の特定と損害賠償請求
開示されたIPアドレス・Googleアカウント情報から投稿者を特定します。Googleアカウントが実名登録の場合、直接氏名が判明することもあります。特定後は、損害賠償請求(50万〜300万円が相場)や刑事告訴を検討します。
この組み合わせのポイント
- ログ保存期間が約180日(6ヶ月)とTwitterの90日に比べて長く、時間的余裕がある
- Googleアカウントとの紐づけにより、メールアドレスや登録名が開示されやすく、特定精度が高い
- 動画+著作権侵害(肖像権、音楽等)の併用による開示請求が非常に効果的
- スーパーチャット(投げ銭)を伴う誹謗中傷の場合、支払い情報からの特定も期待できる
- YouTube(Google合同会社)は日本法人として東京地裁での手続きが可能で、対応が迅速
よくある質問
弁護士費用として合計40〜70万円程度が一般的です(着手金25〜45万円+成功報酬15〜25万円)。裁判所費用として別途2〜3万円がかかります。YouTube(Google合同会社)は比較的開示に協力的で、手続きが円滑に進む傾向があります。動画が拡散されて被害が大きい場合、損害賠償で100万円以上が認められるケースもあります。
動画本体が削除されていても、コメントのスクリーンショットや動画のURLを保存していれば、ログ保存期間内(約180日)であれば開示請求は可能です。Googleはアカウント削除後も一定期間はログを保持しています。動画削除前に、コメントのURL、タイムスタンプ、コメント投稿者のアカウント名を記録しておくことが重要です。
はい、可能です。例えば、自分の顔写真や動画を無断で使用している場合は肖像権侵害、その動画で虚偽の事実を述べている場合は名誉毀損として、複数の権利侵害を同時に主張できます。複数の根拠を提示することで、開示請求の認容率が高まります。また、YouTubeの著作権削除機能と法的な開示請求を並行して進めることも可能です。