YouTube(ユーチューブ)のコメント欄・ライブ配信の侮辱、開示請求で特定
YouTubeのコメント欄での侮辱は、動画の再生数が多いほど「多くの人の目に触れる」という理由で慰謝料が高額化する。動画の再生数・コメント欄の閲覧数を証拠として記録すること。チャンネル登録者数が多い動画での誹謗中傷は、テレビ放送に匹敵する拡散力として評価される。
YouTube コメント欄の荒らし・アンチに開示請求できるか?
YouTubeのコメント欄で繰り返される侮辱行為(いわゆる「荒らし」「アンチコメント」)は、2022年の侮辱罪厳罰化により、開示請求の対象として認められやすくなっています。1回の「バカ」程度では難しいですが、(1)同一アカウントから継続的に侮辱コメントが投稿されている、(2)複数の動画にまたがって嫌がらせコメントが続いている、(3)「死ね」「消えろ」等の極めて悪質な表現が使用されている、といった事情があれば、開示が認められる可能性が高いです。特にYouTuberとして活動している方の場合、侮辱コメントが収益やチャンネル登録者数に影響を与えることも損害の一部として主張できます。
ライブ配信のコメント荒らしは開示対象?
YouTubeライブ配信中のチャット(ライブチャット)での侮辱行為も、通常のコメントと同様に開示請求の対象です。ライブ配信のアーカイブが残っている場合、タイムスタンプ付きでコメントが記録されているため、証拠保全が容易です。さらに、スーパーチャット(投げ銭)を伴う侮辱コメントの場合、支払い情報から投稿者の特定がしやすくなるというメリットがあります。
複数のアンチアカウントによる組織的な荒らしの場合
複数のアカウントから同時期に侮辱コメントが投稿されている場合、投稿パターン(投稿時間帯、文体、使用する表現の類似性)を分析し、同一人物による複垢(複数アカウント)の可能性を主張できます。同一人物と認定されれば、各アカウントの投稿を合算して「継続的な嫌がらせ」として悪質性を主張でき、開示請求が認められやすくなります。
YouTube 侮辱での開示請求の費用と損害賠償額
費用は名誉毀損と同程度で、弁護士費用40〜70万円程度が相場です。侮辱の場合の損害賠償額は10万〜150万円程度で、名誉毀損より低い傾向にありますが、(1)継続的・執拗な嫌がらせである、(2)精神疾患を発症した(診断書が必要)、(3)チャンネルの収益や登録者数に影響が出た(YouTuberの場合)、といった事情があれば増額される可能性があります。特に、侮辱コメントが原因で動画投稿を休止せざるを得なくなった場合、逸失利益として広告収益の減少分も損害に含められます。
YouTuberの場合、収益減少も損害賠償に含められる?
はい、可能です。YouTuberとして広告収益やスポンサー収入を得ている場合、侮辱コメントの影響で動画投稿を休止したり、チャンネル登録者が減少した場合、逸失利益(失われた収益)を損害として主張できます。証拠として、(1)投稿休止前後のアナリティクスデータ(再生回数、登録者数の推移)、(2)広告収益の実績データ、(3)スポンサー契約書(侮辱が原因で契約解除になった場合)などを提出します。
YouTube コメント削除と開示請求、どちらを先にすべき?
YouTubeには侮辱的なコメントを報告・削除する機能があり、報告後1〜3日程度でコメントが削除されることが多いです。ただし、コメントを削除しても、ログ保存期間内(約180日)であれば開示請求は可能です。重要なのは、削除前に証拠を保全することです。(1)コメントのスクリーンショット(URL、タイムスタンプ、投稿者アカウント名を含む)を保存、(2)可能であれば画面録画、(3)複数のコメントがある場合はすべて記録、という手順を踏んだ上で、YouTubeに報告して削除要請し、並行して弁護士に開示請求の相談をするのが最善の方法です。
YouTube 侮辱の開示請求が難しいケースとは
以下のケースでは開示請求が難しくなります。(1)単発の「つまらない」「嫌い」程度の主観的な感想、(2)特定の個人に向けられたものではなく、動画内容に対する批判、(3)公人(政治家、芸能人等)に対する社会通念上許容される範囲の批判、(4)ログ保存期間(約180日)を過ぎている場合。YouTubeでは、動画の内容に対する正当な批判と、個人への侮辱を区別することが重要です。動画の質に対する「つまらない」というコメントは批判として保護されますが、投稿者の人格を攻撃する「お前はクズ」というコメントは侮辱に該当します。
YouTube 侮辱の開示請求の流れ【4ステップ】
証拠保全(コメント・チャットの記録)
侮辱的なコメントのスクリーンショットを保存します。複数のコメントがある場合はすべて記録し、投稿日時、アカウント名、動画のURLを含めて保存します。ライブ配信のチャットの場合は、アーカイブのタイムスタンプも記録します。
弁護士相談(侮辱の程度と開示の見通し)
YouTubeでの開示請求実績がある弁護士に相談し、侮辱の悪質性と開示の見通しを確認します。単発のコメントか継続的な嫌がらせか、YouTuberとして収益への影響があるか、といった点を相談します。
発信者情報開示命令の申立て
東京地方裁判所に開示命令を申し立てます。侮辱の場合、2022年の侮辱罪厳罰化を踏まえ、コメントの継続性・悪質性・被害者の精神的苦痛を丁寧に主張します。
投稿者特定と損害賠償・刑事告訴
開示されたGoogleアカウント情報・IPアドレスから投稿者を特定します。損害賠償請求(10万〜150万円)に加え、悪質な場合は侮辱罪(1年以下の懲役等)での刑事告訴も検討します。
この組み合わせのポイント
- 2022年侮辱罪厳罰化で、YouTubeコメントの「荒らし」「アンチ」行為も開示対象に
- スーパーチャット(投げ銭)を伴う侮辱は支払い情報から特定しやすく、悪質性も高い
- ライブ配信のチャット荒らしはアーカイブに記録されるため証拠保全が容易
- YouTuberの場合、収益減少を逸失利益として損害賠償に含められる
- 継続的・執拗なアンチコメントは「嫌がらせ」として悪質性が認められやすい
よくある質問
はい、可能です。2022年の侮辱罪厳罰化により、「死ね」は侮辱罪に該当し、さらに脅迫罪の可能性もあります。繰り返し投稿されている場合は、継続的な嫌がらせとして悪質性が認められやすくなります。すぐにコメントのスクリーンショットを保存し、弁護士に相談してください。並行して警察への相談(#9110)もお勧めします。
はい、スーパーチャット(投げ銭)を伴う侮辱コメントの場合、支払い情報(クレジットカード等)が記録されているため、通常のコメントよりも投稿者の特定がしやすい傾向にあります。さらに、金銭を支払ってまで侮辱する行為は悪質性が高いと評価され、開示請求が認められやすくなります。
複数アカウントの投稿パターン(投稿時間帯、使用する表現、文体の類似性)を分析し、同一人物による複垢の可能性を主張できます。IPアドレスが開示されれば、複数アカウントが同一のIPアドレスから投稿されていることが判明し、同一人物と認定される可能性があります。開示請求により、これらのアカウントをまとめて投稿者を特定できます。