Twitter(X)の風評被害・業務妨害、開示請求で売上損害を取り戻す
Twitterの風評被害で最も重要なのは「売上データの時系列整理」。投稿日の前後で売上がどう変化したかを会計データで示せれば、逸失利益として100万円以上の賠償が認められるケースが増えている。
Twitter(X) 風評被害の開示請求、費用対効果は?
業務妨害での開示請求は、費用対効果が最も高い類型の一つです。弁護士費用は30〜60万円と他の類型と同程度ですが、損害賠償額は100万〜1,000万円以上になることもあります。売上減少を具体的に立証できれば(投稿前後の売上データの比較等)、逸失利益として高額な賠償が認められます。ただし、売上減少と投稿の因果関係の立証がポイントになるため、投稿日前後のデータを早期に整理しておくことが重要です。
売上減少の証明方法
売上減少と風評被害の因果関係を立証するには、(1)投稿日前後の売上データ(月次・週次の比較)、(2)投稿の閲覧数・リツイート数・拡散状況、(3)顧客からの問い合わせ・キャンセルの記録、(4)同業他社の同時期の売上推移(外部要因の排除)、(5)投稿前のレビュー評価と投稿後の変化、といった資料が有効です。会計データは税理士の証明書付きで提出すると信頼性が高まります。
Twitter(X) 競合他社による組織的な誹謗中傷(ステルスネガキャン)
近年増加しているのが、競合他社やその関係者による組織的なネガティブキャンペーンです。複数のアカウントから同時期に悪評が投稿される場合、不正競争防止法2条1項21号(信用毀損行為)も根拠になります。不正競争防止法を根拠にした場合、差止請求(今後の投稿の禁止)も可能になるという大きなメリットがあります。複数アカウントの投稿パターン(投稿時間帯、文体の類似性等)が同一人物によるものと推認できる場合は、組織的な誹謗中傷として主張できます。
Twitter(X)で従業員・元従業員が会社の悪口を投稿した場合
退職した従業員がTwitterで会社の内部情報や虚偽の悪評を投稿するケースも増えています。この場合、(1)業務妨害としての開示請求、(2)在職中の秘密保持義務違反(就業規則・誓約書に基づく)、(3)退職後の競業避止義務違反(合意がある場合)、(4)不正競争防止法上の営業秘密侵害、といった複数の法的根拠で対応が可能です。ただし、労働者の正当な内部告発に該当する場合は公益通報者保護法により保護されるため、投稿の内容を慎重に精査する必要があります。
Twitter(X)のバズ(炎上)による風評被害の対処法
Twitter(X)ではリツイート機能により、1つの虚偽投稿が数万回以上拡散される「炎上」が起きることがあります。炎上時の対応は、(1)最初の投稿者(オリジネーター)の特定が最優先、(2)拡散に加担した主要アカウントも開示対象になり得る、(3)Twitter社への削除要請と開示請求を同時に進める、(4)プレスリリースや公式声明で事実関係を発信する、という順序で進めます。炎上の規模が大きいほど損害賠償額は高額化する傾向にあります。
Twitter(X) 業務妨害の開示請求の流れ【4ステップ】
証拠保全と損害データの整理
投稿のスクリーンショット(URL・日時・拡散状況を含む)を保存します。同時に、売上データ、顧客キャンセル記録、レビュー評価の推移など、損害を裏付けるデータを整理しておきます。
弁護士相談(法人対応に強い事務所)
業務妨害・風評被害に詳しい弁護士に相談します。不正競争防止法の適用可能性や、損害賠償の見込み額について助言を受けます。法人として開示請求する場合の手続きの違いも確認しましょう。
発信者情報開示命令の申立て
東京地方裁判所に開示命令を申し立てます。業務妨害の場合、投稿内容が「虚偽」であることの立証が重要です。実際の商品・サービスの品質を示す資料(お客様アンケート、品質検査結果等)を準備しましょう。
投稿者特定と損害賠償請求
投稿者を特定したら、逸失利益(売上減少分)+慰謝料+弁護士費用の損害賠償を請求します。業務妨害の場合、100万〜1,000万円の損害賠償が認められるケースもあります。不正競争防止法に基づく差止請求(再投稿の禁止)も検討します。
この組み合わせのポイント
- Twitter(X)のリツイート拡散により、風評被害が短時間で爆発的に広がるリスクがある
- 法人・事業者の場合、逸失利益(売上減少分)も損害賠償に含められるため高額化しやすい
- 不正競争防止法を根拠にすれば、損害賠償に加えて差止請求(再投稿の禁止)も可能
- 競合他社による組織的ネガキャンの場合、複数アカウントの投稿パターンの分析が有効
- 炎上規模が大きいほど損害賠償額は高くなるが、因果関係の立証も重要
よくある質問
法人が開示請求する場合、(1)名誉毀損ではなく「信用毀損・業務妨害」(刑法233条)を根拠にすることが多い、(2)損害として「逸失利益」(売上減少分)を請求でき、個人よりも高額になりやすい、(3)不正競争防止法を根拠にした差止請求が可能、(4)法人代表者(代表取締役)が手続きを行う、という点が異なります。手続きの費用は個人と大きく変わりません。
業務妨害による損害賠償額は100万〜1,000万円以上になるケースがあります。賠償額は(1)売上減少の金額と期間、(2)投稿の拡散規模、(3)投稿内容の悪質性(虚偽の程度)、(4)事業規模(個人事業主か法人か)によって決まります。売上データを投稿前後で比較し、因果関係を明確にすることが高額賠償のポイントです。
個人の主観的な感想(「まずかった」「接客が悪い」等)は、原則として正当な消費者の意見として保護されます。ただし、(1)虚偽の事実を含む場合(「ゴキブリが入っていた」等の嘘)、(2)営業を妨害する目的が明らかな場合(競合他社による投稿等)、(3)社会通念上許容される範囲を超える誹謗中傷の場合は、業務妨害として開示請求の対象になります。