発信者情報開示請求 用語辞典
【完全版 119語】
開示請求に関する法律用語・専門用語を五十音順でわかりやすく解説
あ行
悪意
法律用語では単に「ある事実を知っていること」を指す(日常用語の「他人に害を与えようとする気持ち」とは意味が異なる)。
アクセスプロバイダ
インターネット接続業者(ISP)のこと。NTT、KDDI、ソフトバンクなどが該当。
アクセスログ
いつ、誰が、どのIPアドレスからアクセスしたかを記録したデータ。
アップロード
自分のコンピュータからネットワーク上のサーバーへデータを転送すること。著作権侵害(公衆送信権侵害)の文脈で重要となる。
アーカイブ
ウェブサイトの過去の状態を保存している記録のこと。
意見照会
プロバイダが契約者(発信者)に対し、「あなたの情報を被害者に開示してもよいか」を確認する手続き。
遺言執行者
発信者が死亡していた場合に、相続財産の管理や手続きを行う人。
慰謝料
精神的苦痛に対する損害賠償金。名誉毀損の相場は数十万〜数百万と幅がある。
委任状
弁護士に手続きを依頼する際に必要な書類。開示請求や示談交渉を行う権限を代理人に与えることを証明するもの。
違法性阻却事由
形式上は権利侵害に当たっても、正当な理由(公共性・公益性・真実性など)があるために違法ではないとされる事情。
インカメラ手続
裁判官だけが証拠(相手方の秘密情報など)を見て、開示の可否を判断する手続き。
隠語
掲示板などで使われる特定の対象を指すスラングや伏せ字。
インターネット・サービス・プロバイダ
インターネット接続を提供する事業者。開示請求のターゲットとなる「経由プロバイダ」と同義。
閲覧制限
訴訟記録(住所や氏名が書かれたもの)を第三者や相手方に見られないようにする申し立て。
冤罪
開示請求においては、IPアドレスの割り当てミスや、マルウェア感染による「踏み台」利用により、無関係な人が発信者とし...
応答
被告(プロバイダ側)が訴状に対して認否や反論を行うこと。答弁書の提出などがこれにあたる。
オプトアウト
自分の情報を第三者に提供しないよう求めること。
か行
開示関係役務提供者
プロバイダ責任制限法における、情報の開示を求められる事業者の総称。
拡散
SNSでリポスト(リツイート)やシェアによって情報が広がること。
確定判決
上訴期間が過ぎるなどして、内容が覆らなくなった判決。これをもって強制執行などが可能になる。
過失
不注意やミス。損害賠償請求を行うには、加害者に「故意」または「過失」が必要となる。
仮処分
訴訟よりも迅速な暫定的な手続き。IPアドレスの開示や、ログ消去禁止のために利用される。
管轄裁判所
どこの裁判所で手続きを行うかというルール。原則は被告の住所地だが、改正法により被害者の住所地でも手続きしやすくなった。
間接強制
裁判所の命令に従わない場合に、1日あたり一定額の金銭支払いを命じることで、間接的に履行を促す強制執行の方法。
関連性
ログイン型サービスの開示において、「ログインしたIPアドレス」と「投稿行為(権利侵害)」の結びつきを示すこと。
ガイドライン
「プロバイダ責任制限法 発信者情報開示関係ガイドライン」のこと。通信業界団体(テレサなど)が定めた実務上の運用基準。
既判力
確定した判決の内容が、後の裁判を拘束する効力。同じ当事者間で同じ事柄を蒸し返すことはできない。
却下
訴えが形式的な要件を満たしていないとして、中身の審理に入らずに門前払いにすること(対義語:棄却=中身を審理した上で...
救済
法的手続きによって被害者の権利を回復すること。削除、謝罪広告、金銭賠償などが含まれる。
供託金
担保金のこと。仮処分を行う際に法務局に預ける保証金。
記録の保存
プロバイダに対してログを消さないよう求めること。法的な「保存義務」はないため、任意の要請か仮処分(消去禁止)が必要。
魚拓
ウェブサイトの証拠保全サービス、またはそのデータのこと。投稿者が削除して証拠隠滅するのに対抗するために使われる。
検索エンジン削除
Googleなどの検索結果から、特定のページを表示させないようにする手続き。いわゆる「忘れられる権利」に関連する。
権利侵害
名誉毀損、プライバシー侵害、著作権侵害など、他人の権利を違法に犯すこと。開示請求の必須要件。
権利侵害の明白性
開示請求が認められるための最重要要件。「権利が侵害されたことが明らかである」と証拠上言えること。
原告
裁判を起こした人。開示請求では被害者側。
公共性・公益性
投稿内容が社会全体の利益に関わること。これがあり、かつ真実であれば名誉毀損は成立しない(違法性阻却)。
公衆送信権
著作権の一つ。ネット上に無断でコンテンツをアップロード・公開する行為はこれの侵害となる。
公示送達
相手の住所が不明な場合などに、裁判所の掲示板に貼り出すことで、法律上「書類が届いた」とみなす手続き。
固定IP
常に変わらないIPアドレス。企業やサーバーなどで使われる。
さ行
最高裁判例
最高裁判所が出した判決。下級審(地裁・高裁)の判断基準となる非常に重要なルール。
再審
確定した判決に重大な欠陥があった場合に、やり直しを求める手続き。ハードルは極めて高い。
債務者
仮処分などの手続きにおいて、義務を負う側(プロバイダ等)。
削除請求
掲示板やSNSの投稿を消すよう求める手続き。開示請求と同時に(または先行して)行われることが多い。
差し押さえ
損害賠償金が支払われない場合に、裁判所の許可を得て、相手の給与や預金を強制的に確保すること。
サーバー
ウェブサイトのデータが保存されているコンピュータ。
執着
(ネットストーカー的な文脈で)特定の相手に対して執拗に投稿を繰り返す行為。
証拠保全
あらかじめ証拠を確保しておくための裁判手続き。ログが消えそうな時に使われるが、実務では仮処分が主流。
勝訴
裁判で勝つこと。開示請求の場合は「開示判決(命令)」が出ること。
肖像権
容姿を勝手に撮影・公表されない権利。無断で写真をアップされた場合に主張する。
消滅時効
一定期間権利を行使しないと、請求権がなくなる制度。加害者を知ってから3年、行為から20年。
真実性
投稿内容が嘘ではなく事実であること。これが証明されれば名誉毀損は成立しない(公共性・公益性がある場合)。
真実相当性
投稿内容が真実だと信じるに足る「確実な資料・根拠」があったか。真実でなくても、これがあれば免責される場合がある。
信用毀損罪
嘘の情報を流して、人の経済的な信用(支払い能力や商品の品質など)を傷つける犯罪。
事実の摘示
具体的な事柄(証拠で真偽を決められること)を挙げること。
示談
裁判外で当事者同士が話し合って解決すること。開示請求前に行う場合もあれば、特定後に行う場合もある。
実費
弁護士費用以外にかかる費用。印紙代、郵券(切手代)、資格証明書取得費、供託金などが含まれる。
住所
生活の本拠。開示請求のゴールとなる情報の一つ。
受忍限度
社会生活を送る上で我慢すべき限界。「これを超えているか」が違法性の判断基準となる。
準備書面
裁判でお互いの主張を書いて出し合う書類。
スレッド
掲示板における話題ごとのまとまり。スレッド全体の削除を求めるケースもある。
正当な理由
開示請求を行うための目的が正当であること(損害賠償請求など)。不当な目的(復讐や嫌がらせ)では認められない。
接続プロバイダ
ISPと同じ。ユーザーをネットに繋げる業者。
善管注意義務
善良な管理者の注意義務。プロバイダ等は、通常期待されるレベルの管理を行う義務がある。
訴状
裁判を起こすために裁判所に提出する最初の書類。請求の趣旨や原因を記載する。
た行
タイムスタンプ
投稿が行われた正確な日時(秒単位)。IPアドレスは使い回されるため、この時刻情報が正確でないと特定できない。
担保金
仮処分申立の際、債権者が供託する金銭。誤った命令で相手に損害を与えた場合の保証金。
第三者
当事者(被害者と加害者)以外のすべての者。
代理人
本人の代わりに手続きを行う人。法的手続きにおいては通常、弁護士を指す。
着手金
弁護士に依頼した時点で支払う費用。結果に関わらず返金されないのが一般的。
著作権侵害
他人の著作物(文章、写真、絵など)を無断で利用すること。
陳述書
被害者本人の言い分や被害状況をまとめた文章。裁判所への証拠の一つとして提出する。
提供命令
新法で導入された、サイト管理者に対し「接続プロバイダの情報(名称や住所)」を被害者に提供させる命令。
テレサ
「一般社団法人テレコムサービス協会」の略称。プロバイダ向けのガイドラインや書式を策定している業界団体。
特定電気通信
不特定の人が受信できる状態の通信(ウェブサイトや掲示板など)。メールやDMは原則含まれない(公然性がないため)。
特定発信者情報
被害者自身が発信者の情報を知っている場合(電話番号など)の情報のこと。これを使ってプロバイダを特定することもある。
匿名化
TorやVPNなどを使って、本来のIPアドレスを隠す技術。特定のハードルを上げる要因。
トレント
P2Pファイル共有技術の一つ。違法ダウンロード・アップロードの特定で問題になる。
同定可能性
投稿が「誰のことか」特定できること。実名でなくても、あだ名や前後の文脈から特定できれば認められる。
ドメイン
インターネット上の住所(例: https://www.google.com/search?q=google.com)。
な行
は行
発信者
情報を投稿した人。加害者。
発信者情報
氏名、住所、メールアドレス、IPアドレス、電話番号など、省令で定められた開示対象となる情報。
発信者情報開示請求
プロバイダ責任制限法に基づき、プロバイダ等に契約者情報の開示を求める法的手続き。
発信者情報開示命令事件
訴訟より簡易迅速な、新しい非訴訟手続。IP開示と住所開示を一体的に行える。
反論
相手の主張に対して反対の意見を述べること。
被害者
権利を侵害された人。原告または申立人となる。
秘匿決定
被害者の住所氏名を相手方に知られないようにする裁判所の決定。二次被害防止のための制度。
誹謗中傷
根拠のない悪口を言いふらして他人を傷つけること。法的用語ではないが、名誉毀損や侮辱を指す一般的用語として使われる。
標準時
ログの時刻がどの国の時間を基準にしているか(日本はJST、世界標準時はUTC)。
プライバシー侵害
私生活上の事実を無断で公開されること。
プロバイダ
接続業者(ISP)やサイト管理者の総称。
プロバイダ責任制限法
ネット上の権利侵害に関するルールを定めた法律。開示請求の根拠法。
弁護士会照会
弁護士法23条の2に基づく調査。携帯番号からキャリアに契約者を問い合わせる際などに使う。
報酬金
成功報酬。開示に成功した時や、損害賠償が取れた時に支払う弁護士費用。
保存期間
アクセスログが残っている期間。モバイルは3ヶ月程度と短い。
本人訴訟
弁護士をつけずに自分で行う裁判。費用は抑えられるが、高度な専門知識が必要。
ま行
木村花さん事件
2020年、女子プロレスラーがSNS中傷を苦に亡くなった事件。侮辱罪厳罰化や開示手続き改正の大きな契機となった。
埋没
大量の投稿により、対象の投稿が流れて見えなくなること。権利侵害が否定される(受忍限度内とされる)要因になり得る。
民事保全法
仮処分の手続きなどを定めた法律。
無過失責任
過失がなくても責任を負うこと。プロバイダ責任制限法では、プロバイダの責任は原則として過失責任(知っていたのに放置し...
名誉感情
主観的なプライド。「バカ」と言われて腹が立つこと。
名誉毀損
公然と事実を摘示し、人の社会的評価を下げる行為。
申し立て
裁判所に対して、特定の決定を求める意思表示。